冥王星の分類の日本語訳は「準惑星」 日本学術会議小委

2007年03月21日 asahi.com

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太陽系の惑星の軌道イメージ

 昨夏、国際天文学連合(IAU)の決定で惑星から除外された冥王星は、「準惑星」と分類されることになった。IAUが作った新分類「ドワーフプラネット(dwarf planet)」の和名を検討してきた日本学術会議小委員会が21日、準惑星とする報告書をまとめた。海王星の軌道より外に多数見つかってきた、冥王星を含む小天体を「太陽系外縁天体」と呼ぶことも決めた。

 準惑星は、自らの重力で球形を保つが、惑星のように軌道周囲から他の天体を排除していない、といった特徴がある。現在、冥王星のほか、一時第10惑星とも呼ばれた「エリス」、火星と木星の間の小惑星帯で最大の「セレス(ケレス)」が当てはまる。矮(わい)惑星の仮訳が付けられていた。

 天文学者や教師、ジャーナリストなどによる学術会議の「太陽系天体の名称等に関する検討小委員会」(委員長、海部宣男・元国立天文台長)では「矮小などと、否定的なイメージがある」「漢字が難しい」と、矮惑星に反対が続出。「惑星に準じる」との位置づけから、準惑星が選ばれた。

 太陽系外縁天体はエッジワース・カイパーベルト天体(EKBO)、海王星以遠天体(TNO)などと呼ばれていたもので、冥王星とエリスも含まれる。これが1千個以上も見つかってきたことが、冥王星の「降格」の一因となった。

 4月上旬の学術会議幹事会を経て、正式決定される。海部委員長は「教科書でどんな名を使うのかの基礎になる。深い議論ができ、前向きな方針が出せてよかった」と述べた。